Prosciutto生ハム

札幌は、夏は暑すぎず、湿度はそれほど上がらず、
冬はしっかり寒いが厚く積もる雪のおかげで乾きすぎもせず、極寒というほどでもありません。
1年以上の長期熟成でしか作れない生ハムの類のような非加熱で旨味を引き出すような食肉加工品を作るには札幌の風は最適です。
そこで、札幌に根を張る当社はこの風で美味しい食肉製品を作ることにしました。
札幌の自然の風だけを使い熟成させた生ハムやサルシチョン、パンチェッタ、グアンチャーレ、セシーナ(牛の生ハム)は格別です。
熱を加えず札幌の風の力だけで旨味を引き出せる肉屋として、札幌ならではの新しい食肉文化を発信します。

生ハムの歴史

生ハムの歴史

豚の家畜化は紀元前8300年ごろから始まった。
乳や使役に使える牛とは違い、豚は肉のためだけに飼育されました。
紀元前3500年頃には、肉に塩を擦り込んで乾燥させることで長期間保存させ、冷蔵庫のない時代で1年中安定的にたんぱく質を摂ることに成功しています。
保存食を作る作業は、寒い季節に行わないと原料が腐るので、1年間かけて豚を育て、冬の始まりに屠畜して焼いて食べたり、干肉等の保存食を作って日持ちさせながらゆっくり食べたりしました。
これが生ハムのはじまりです。

サッポロクラフト生ハム

サッポロクラフト生ハムの特徴

我々の作るサッポロクラフト生ハムは、札幌の特徴ある気候を利用して作ります。
しっかり寒い冬に仕込み、乾燥し過ぎない程度に乾燥する風で短時間で表面を乾燥させ、そのあとは乾燥を進めさせながら、独自のパテを塗り、乾燥と保湿のバランスを取りながらゆっくり熟成させます。
夏は生ハムを美味しくさせる貴重な期間ですが、暑すぎるとダメージが出る危険な季節で、加えて湿度が高いのも生ハムにとってはリスクです。
札幌の夏は暑すぎず、湿度もそれほど上がらない。生ハムにとって安全で快適です。
その夏を2回以上経験させることで、美味しい生ハムが出来上がります。この生ハムは札幌でしか作ることが出来ません。これがサッポロクラフト生ハムです。

余市産 北島ワインポーク

余市産 北島ワインポーク

余市にあるキャメルファームのワインを飲んで育った北島農場の豚は、ふつうの豚と比べて脂が多いわけでもないのに、とても味が良くて大きな豚です。適度なアルコールとポリフェノールで健康的に大きくなれることに起因するかも知れません。
生ハムというものは完全に乾燥してしまうと、それ以上熟成が進むことはありません。 余市産 北島ワインポークはその大きさ故に保水能力が非常に高く、長期間中身がしっとりしているので、18~24カ月以上熟成させるのには最適な原料と言えます。 当社では、生ハムの原料以外の余市産 北島ワインポークは正肉として販売しておりますので、お気軽にお問合せください。

帯広畜産大学との
共同研究について

帯広畜産大学との共同研究について

帯広畜産大学と当社は、ドライ熟成を施した熟成後の肉の変化の分析を行うことで、官能検査における、より良好な食味の追求や安全性の検査を行い、「熟成させて肉を安定的に美味しくする」技術を高める研究を行っています。
それにより、肉を寝かし、旨くする、という技術と経験が年々培われています。
この研究の他に、生ハムの開発も進めており、使用する塩、水分活性の調整、熟成方法等、帯広畜産大学名誉教授の三上正幸先生からご指導をいただきながら札幌の気候に合わせた製法を確立しました。
これからも「肉を旨くする」研究は続きます。

The process of making cured ham生ハム作りの工程

STEP 1血抜き

ウチモモにある血管の中にある血液を出し切ります。この血液が中に残っていると、生ハムが完成して切り進んだ時に、血が残った血管のざらついていた食感がでてしまうからです。

血抜き

STEP 2塩漬け&塩抜き

粒度の細かい塩をまず擦り込むことで、腐敗を防ぎ、次に粒度の粗い砂利くらいの岩塩を乗せる。細かくて溶けやすい塩だけだと、早い段階で塩が溶けてなくなってしまい、空気にさらされた表面に招かざるカビが生えてしまいます。
溶けにくい大粒の塩を乗せることで、ゆっくり塩を染み込ませるのと同時にカビの発生を抑制します。塩漬け期間は40日間。
続いて塩抜き。この工程は味を決めるもっとも緊張する作業で、詳細は企業秘密。

塩漬け&塩抜き

STEP 3乾燥

水から上げて吊るす。サーキュレーターで風を当てながら表面を乾燥させます。

乾燥

STEP 4スーニャトゥーラ

表面が乾いたら、パテを塗って保湿しつつ、更なる乾燥と熟成を進ませるための加工を施します。保湿しながらゆっくり乾燥させるという、アクセルとブレーキを同時に踏むような響きですが、旨味を増すための非常に重要な工程で、最低10カ月以上という製造工程でもっとも長い時間を要します。
また、この期間の温度と湿度次第で、旨くもなるし不味くもなります。
不味い生ハムの大半はこの環境コントロールの失敗が原因です。
一年間を通して、季節的に良くない年があれば、環境を変えて追熟も必要になります。

スーニャトゥーラ

STEP 5スピラトゥーラ

イタリアやスペインでは馬の骨の針を肉にさし、中の匂いを嗅ぎ、美味しく出来ているか、腐敗はしていないかをチェックします。馬の骨の表面の細かい穴がその作業を可能にしますが、当社はエゾシカの角から削りだした針でこの作業を行います。とても丈夫で折れにくく、細かい空気穴等同様の機能をもち、何より北海道らしい。
世界中で作られる生ハムですが、エゾシカの角を使うのは他では聞いたことがありません。チェックが済んだ美味しい生ハムだけが、サッポロクラフト生ハムとして出荷されます。

スピラトゥーラ
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